打球の行方~Part.2
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1.はじめに
前回は,Ultimate Zone Rating(UZR)のデータを用いて打球の行方を分析しました。とりあえず,全ての打球を飛んだゾーンに分類したのですが,今回は少し条件を分けていきたいと思います。
今回の分類基準は,結果です。打球の中からアウトになったものと,ヒットになったものを分けて分析してみたいと思います。
2.分析データ
2009年から2010年までのUZRデータ,計93571打席の結果を分析対象としています。内訳は,2009年が46582打席,2010年が46989打席です。
※記録に不備があったデータは除いていますので,全ての打席のデータではありません。
これらのデータを,22(C~X)×8(1~8 1が最もホームベースに近く、8はフェンス際)の176ゾーンに分類しました。
3.分析結果
それでは,データを見ていきたいと思います。まずは,アウトになった打球から分析していきます。表1に各ゾーンと距離でアウトになった打球の割合を示します。

このデータの中で,よくアウトになったゾーンに色をつけてみたものを図1に示します。
※色の付け方はあくまで目安ですのでご注意ください。

アウトになった打球数が多いゾーンほど濃い色をつけています。この図を見ると,内野,外野の守備範囲というものが見えてきます。最も濃い色がついているのは,ちょうど内野手がいる辺りです。外野手の守備範囲では,内野手と外野手の間のスペースがアウトになった打球数が少なくなっています。
次はヒットになった打球です。表2に各ゾーンと距離でヒット(単打・二塁打・三塁打,ランニングホームラン)になった打球数を示します。

このデータの中で,よくヒットになったゾーンに色をつけてみたものを図2に示します。

ヒットになった打球数が多いゾーンほど濃い色をつけています。図1でアウトになりにくかった,内野手と外野手の間のスペースがヒットになりやすくなっています。そして,ちょうど内野手がいる辺りのゾーンもヒットになる打球数が多くなっています。
内野手付近のゾーンは,アウトになる打球数も多いのですが,これは,そもそもこのゾーンに飛ぶ打球が多いことが原因であると考えられます。しかし,図1では,この内野手付近のゾーンが一様にアウトになる打球数が多かったのに対し,図2を見ると,内野手付近のゾーンの中にもヒットになりやすいゾーンとヒットになりにくいゾーンがあることがわかります。
次は,このヒットの中身を別々に分析していきたいと思います。まずは単打からです。表3に各ゾーンと距離でアウトになった打球数を示します。

このデータの中で,よくヒットになったゾーンに色をつけてみたものを図3に示します。

単打になった割合が高いゾーンほど濃い色をつけています。ヒットの中では単打の数が多いので,図2の結果と大体同じような結果になっています。
次は長打(二塁打以上)です。表4に各ゾーンと距離で長打になった打球数を示します。

このデータの中で,よく長打になったゾーンに色をつけてみたものを図4に示します。

長打になった打球数が多いゾーンほど濃い色をつけています。所謂長打コースといわれるゾーンに色がついていると思います。将来的には,足の速い打者と遅い打者で二塁打になるゾーンを比較してみたりすると面白いかもしれません。
4.まとめ
以上,打席の結果別に分析しました。今回もこういうものかと思って見ていただければ幸いです。やろうと思えば,犠打,犠飛,エラー,野選の分析もできますが,冗長になるのでやめておきました。
他にも,打球(ゴロ・フライ・ライナー)別,走者状況別,アウトカウント別等の分析もできますが,全部紹介するのは大変そうなので,次回は打球(ゴロ・フライ・ライナー)別のデータを紹介しようかと考えています。
前回は,Ultimate Zone Rating(UZR)のデータを用いて打球の行方を分析しました。とりあえず,全ての打球を飛んだゾーンに分類したのですが,今回は少し条件を分けていきたいと思います。
今回の分類基準は,結果です。打球の中からアウトになったものと,ヒットになったものを分けて分析してみたいと思います。
2.分析データ
2009年から2010年までのUZRデータ,計93571打席の結果を分析対象としています。内訳は,2009年が46582打席,2010年が46989打席です。
※記録に不備があったデータは除いていますので,全ての打席のデータではありません。
これらのデータを,22(C~X)×8(1~8 1が最もホームベースに近く、8はフェンス際)の176ゾーンに分類しました。
3.分析結果
それでは,データを見ていきたいと思います。まずは,アウトになった打球から分析していきます。表1に各ゾーンと距離でアウトになった打球の割合を示します。

このデータの中で,よくアウトになったゾーンに色をつけてみたものを図1に示します。
※色の付け方はあくまで目安ですのでご注意ください。

アウトになった打球数が多いゾーンほど濃い色をつけています。この図を見ると,内野,外野の守備範囲というものが見えてきます。最も濃い色がついているのは,ちょうど内野手がいる辺りです。外野手の守備範囲では,内野手と外野手の間のスペースがアウトになった打球数が少なくなっています。
次はヒットになった打球です。表2に各ゾーンと距離でヒット(単打・二塁打・三塁打,ランニングホームラン)になった打球数を示します。

このデータの中で,よくヒットになったゾーンに色をつけてみたものを図2に示します。

ヒットになった打球数が多いゾーンほど濃い色をつけています。図1でアウトになりにくかった,内野手と外野手の間のスペースがヒットになりやすくなっています。そして,ちょうど内野手がいる辺りのゾーンもヒットになる打球数が多くなっています。
内野手付近のゾーンは,アウトになる打球数も多いのですが,これは,そもそもこのゾーンに飛ぶ打球が多いことが原因であると考えられます。しかし,図1では,この内野手付近のゾーンが一様にアウトになる打球数が多かったのに対し,図2を見ると,内野手付近のゾーンの中にもヒットになりやすいゾーンとヒットになりにくいゾーンがあることがわかります。
次は,このヒットの中身を別々に分析していきたいと思います。まずは単打からです。表3に各ゾーンと距離でアウトになった打球数を示します。

このデータの中で,よくヒットになったゾーンに色をつけてみたものを図3に示します。

単打になった割合が高いゾーンほど濃い色をつけています。ヒットの中では単打の数が多いので,図2の結果と大体同じような結果になっています。
次は長打(二塁打以上)です。表4に各ゾーンと距離で長打になった打球数を示します。

このデータの中で,よく長打になったゾーンに色をつけてみたものを図4に示します。

長打になった打球数が多いゾーンほど濃い色をつけています。所謂長打コースといわれるゾーンに色がついていると思います。将来的には,足の速い打者と遅い打者で二塁打になるゾーンを比較してみたりすると面白いかもしれません。
4.まとめ
以上,打席の結果別に分析しました。今回もこういうものかと思って見ていただければ幸いです。やろうと思えば,犠打,犠飛,エラー,野選の分析もできますが,冗長になるのでやめておきました。
他にも,打球(ゴロ・フライ・ライナー)別,走者状況別,アウトカウント別等の分析もできますが,全部紹介するのは大変そうなので,次回は打球(ゴロ・フライ・ライナー)別のデータを紹介しようかと考えています。
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Baseball Lab「Archives」では2010~2011年にかけてラボ内で行われた「セイバーメトリクス」のコンテンツを公開しております。
野球を客観視した独自の論評、分析、および研究を特徴として、野球に関するさまざまな考察をしています。
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