Baseball Labセ・リーグ順位予想
Baseball Lab [ 著者コラム一覧 ]
いよいよあす開幕する2011年プロ野球。4/8のパ・リーグ順位予想に続いて、セ・リーグの順位をBaseball Lab各著者が占っています。各著者それぞれ重視する点や順位予想の手法が違い、必ずしも同じ見通しになっていないところが面白いところです。長いペナントレースでは想像もつかない出来事が起こり、予想と外れることもあるでしょうが、一つの見解として見ていただければ幸いです。皆さんの予想はどの著者と近いでしょうか?

◎蛭川の順位予想

巨人は攻撃力が抜き出ており、投手陣が破綻しなければ優勝が見込める。ただし統一球の導入で本塁打が減ると得点力アドバンテージが一気に失われる恐れがあるのが不安要素。 中日は投手力を中心として失点阻止はリーグナンバーワン。しかし投手でのさらなる上積みは難しいだけに野手で昨季からの上積みをしたい。井端の復活や堂上兄弟の成長があれば自然と勝ち星は稼げるはず。阪神は季740得点を叩き出した打線の得点力を今季もそのまま期待することは難しい。その中でどれだけ得点力を保てるかはマートン・ブラゼルの両外国人が鍵になる。ヤクルトは攻守共に平均的。ベテランの宮本が頑張っているが、セイバーメトリクス的には守備負担の少ない三塁あたりに強打の選手を置きたいところ。優勝を狙うには若手投手の成長が欲しい。広島は昨季と同じように前田健太の神通力に頼るのは苦しく、Aクラス入りには壁がある。走塁を押し出す前にしっかりとした打撃の土台を作ることが必要で、若手の岩本貴裕やMLB実績のあるトレーシーに期待。横浜は渡辺直人・森本稀哲と実績のある野手を獲得はしたものの得失点の観点からは劇的な改善は期待しにくい。まずは投手陣を整備したいところ。長年チームを支えてきたベテランの三浦大輔あたりが意地を見せる展開になると面白い。
※順位予想の方法
・統計データから主要な選手の2011年の成績を予測(プロジェクション)。
・プロジェクションを基に各チームの総得点及び総失点を予測。
・総得点・総失点からリーグ平均に対する利得を計算し、チーム全体での得失点の利得を勝率に変換。予測勝率順に予想順位とする。
・Key Playerは活躍が確定的でなく、かつその選手が活躍するかどうかによってチームの勝率が大きく左右される選手という基準で選んだ。
◎道作の順位予想

巨人は最も厚いが現メンバーでの「収穫の時期」はもうすぐ終わる。小笠原・ラミレスの年齢にやや不安。阪神の攻撃陣はやや弱含み・投手陣でも特に先発は昨年より改善されるとみて横ばいを予想。中日は和田・森野の揺り返しがどの程度のものになるのか。一応合計で25点程度を見た。ヤクルトは上位・下位固定化を覆せるか。広島はかなり良い目が出続けても下位脱出は難しい。横浜は戦力では広島に劣るものではないが、野球以外の部分で不安要素が極めて大きいのでモチベーションに影響しそう。
◎三宅の順位予想


※順位予想の方法
上の予想は昨年までの実績のみを考慮したもので、今季からの新戦力分、例えば斉藤や澤村などのドラフト組、メジャーからの復帰組、新外国人選手によるものは含まれていない。
これを元に最終的な予想をしてみたいと思う。
まず基礎データの説明を若干すると、予想に使ったのは打者ではプロジェクションのPAランクC以上の選手、投手ではD以上の選手である。項目”基準OUT数”から右については注釈を見ていただくが、それにもう少し付け加えると、投打共に”基準との比較”の数値が高ければ高いほど実績のある選手が多いということになる。その比率が1以上となったチームと項目は投手では中日と阪神、打者では福岡で、この3チームのこの成績に関しては安定していると考えてよいだろう。ある程度けが人が出てもカバーできる戦力があるということが言える。また、比率の平均値は投打ともに0.9程度なのでそれを超えるか否かも目安となるであろう。以上を踏まえた上で、各チームがこのオフ、自分たちの弱点、つまり”基準との比較”の数値が低い部分に戦力補強を行っているかどうかというエッセンスを加え、最終的な予想を組み立てたいと思う。Key Playerについては、私自身が見たい選手として名前を挙げた。
阪神はベテランの衰えなどの不安要素はあるが、それをある程度埋めることができる戦力はある。また、投手力の質は中日・巨人に劣るが、量的には勝っていて、ここもアクシデントによる影響が少ない。したがってAクラス入りの確率が最も高いチームとなると阪神であろう。巨人の場合、小笠原、坂本、ラミレス、阿部など一流どころが目白押しだが、彼らと控えクラスとの力の差が大きすぎる感じ。彼らの内誰かを欠いた場合に、その穴を埋めるのは打線ではなく投手力で、澤村などの新戦力がどの程度力を発揮できるか?中日は巨人よりもさらに層が薄く、森野或いは和田のどちらかを失った場合のオフェンスへの影響力はかなり大きい。しかし、投手力のデプスがかなり深いので、トータルとしては、大きく崩れないかもしれない。ヤクルトに関してはブルペンがどうなるかに懸かっている。先発、打線共にそこそこのレベル。上位3チームが強力なのでよくて3位というイメージでしょうか。特に広島は若い野手に楽しみな選手が多く、基礎データよりも得点は稼ぎそうである。横浜はこのオフかなり動きはあったが大きな戦力上昇には繋がっておらず、苦しい戦いを強いられそうだ。
◎鳥越の順位予測

今年も優勝争いは上位3球団になると思われる。巨人は、松本の復活がカギとなりそうである。松本が1番に定着すれば2番に坂本が入りそこから強力なクリーンアップに繋がるので恐ろしい打線となる。阪神は、打線が去年のチーム打率.290にどれだけ近づけるか。投手陣は後ろも含め充実しているため打線がポイントとなるだろう。中日は、先発の柱であるチェンと昨年勝利の方程式の一角であった高橋がケガで出遅れているのが痛い。上位3球団に対抗できるのは東京ヤクルト。投手陣は安定しているので、打線の奮起が上位進出へのカギとなりそう。横浜は新加入した山本、森本、渡辺直が活躍すれば面白い存在に。広島は前田健太に続く投手が出てくることとリリーフ陣の安定が上位進出へのポイントになるであろう。
今回の順位予想はセイバーメトリクスで用いられる指標を参考に行った。
投手:WHIP・被打率・被出塁率・K /BB・LOB%
野手:OPS・NOI・GPA・SecA・TA
投手はいかに得点をとられないかという指標用い、野手は出塁率と長打率を使用している指標を中心に用いた。
◎森嶋の順位予想

まずは巨人。長打に競争優位を持つチームは、セイバー系予測が安定的に高くなる傾向にあると思う。ヤクルトは昨シーズン後半の投打のかみ合いを年間通じて再現できれば普通にAクラス。阪神は数々のレポートにあるように過大な野手BABIPぶれの戻しが心配。中日はセリーグ一のロースコアゲーム球団なので、やや成績のぶれが大きく出るかも。広島は、外国人が投打ともかなりの割合を占めると思われるので、底上げがあるとすれば外国人の活躍か。横浜は投手不足は変わらずも、センターラインは前年と比べれば戦える体制になったと思われる。
◎岡田の順位予想

巨人の攻撃力はおそらくリーグトップ。捕手(阿部)・一塁手(小笠原)・遊撃手(坂本)で稼げる利得はかなり大きい。投手でもやや不運だった内海投手の復調を加味すると、昨年ほど先発陣は崩れないと思われる。ヤクルトは昨季大型連敗で霞んでいるが、ポジション毎の内容をみると勝ってもおかしくない成績。三遊間どちらかに目途がつけばAクラスは十分狙える。投手陣はリーグNo.1の陣容と言っても過言ではなく、リーグで最もバランスが取れたチーム。阪神は昨年に比べ得点力は落ちそう。投手陣は能見・岩田両投手がローテーションを守れれば攻撃面のマイナスを少なくできる可能性も。小林宏加入もブルペンにとっては大きな戦力になりそう。中日の打撃陣は3B森野、LF和田が大きく得失点を稼ぐが、そのほかのポジションでの貢献がほしい。新加入のグスマンが有力候補か。統一球の影響で投手陣はこれまでの様に利得を積み上げにくくなり試練のシーズンとなりそう。広島は前田健太に続く先発投手が何枚出てくるかが上位を目指すポイント。ジオ・大竹など実績がある投手に加え若手が何枚か入ってくることを期待したい。攻撃は栗原に加え岩本とトレーシーで長打力不足を打破したい。横浜は投手・捕手・遊撃・中堅選手の活躍が上位チームとの差を縮めるポイント。昨季経験を積んだ武山捕手が攻守で貢献すれば得失点はそのまま改善するはず。投手は加賀をはじめ若手の活躍はもちろんだが、上位を狙うには三浦投手の復活は必須。
※順位予想の方法
・過去3年のデータから主要な選手の2011年の成績を予測
・成績予測から総得点及び総失点を予測。
・総得点と総失点からチーム勝率を算出
・Key Playerはチームのポジション別の状況を鑑み得失点への影響が大きいであろう選手を選出

◎蛭川の順位予想

巨人は攻撃力が抜き出ており、投手陣が破綻しなければ優勝が見込める。ただし統一球の導入で本塁打が減ると得点力アドバンテージが一気に失われる恐れがあるのが不安要素。 中日は投手力を中心として失点阻止はリーグナンバーワン。しかし投手でのさらなる上積みは難しいだけに野手で昨季からの上積みをしたい。井端の復活や堂上兄弟の成長があれば自然と勝ち星は稼げるはず。阪神は季740得点を叩き出した打線の得点力を今季もそのまま期待することは難しい。その中でどれだけ得点力を保てるかはマートン・ブラゼルの両外国人が鍵になる。ヤクルトは攻守共に平均的。ベテランの宮本が頑張っているが、セイバーメトリクス的には守備負担の少ない三塁あたりに強打の選手を置きたいところ。優勝を狙うには若手投手の成長が欲しい。広島は昨季と同じように前田健太の神通力に頼るのは苦しく、Aクラス入りには壁がある。走塁を押し出す前にしっかりとした打撃の土台を作ることが必要で、若手の岩本貴裕やMLB実績のあるトレーシーに期待。横浜は渡辺直人・森本稀哲と実績のある野手を獲得はしたものの得失点の観点からは劇的な改善は期待しにくい。まずは投手陣を整備したいところ。長年チームを支えてきたベテランの三浦大輔あたりが意地を見せる展開になると面白い。
※順位予想の方法
・統計データから主要な選手の2011年の成績を予測(プロジェクション)。
・プロジェクションを基に各チームの総得点及び総失点を予測。
・総得点・総失点からリーグ平均に対する利得を計算し、チーム全体での得失点の利得を勝率に変換。予測勝率順に予想順位とする。
・Key Playerは活躍が確定的でなく、かつその選手が活躍するかどうかによってチームの勝率が大きく左右される選手という基準で選んだ。
◎道作の順位予想

巨人は最も厚いが現メンバーでの「収穫の時期」はもうすぐ終わる。小笠原・ラミレスの年齢にやや不安。阪神の攻撃陣はやや弱含み・投手陣でも特に先発は昨年より改善されるとみて横ばいを予想。中日は和田・森野の揺り返しがどの程度のものになるのか。一応合計で25点程度を見た。ヤクルトは上位・下位固定化を覆せるか。広島はかなり良い目が出続けても下位脱出は難しい。横浜は戦力では広島に劣るものではないが、野球以外の部分で不安要素が極めて大きいのでモチベーションに影響しそう。
◎三宅の順位予想


※順位予想の方法
上の予想は昨年までの実績のみを考慮したもので、今季からの新戦力分、例えば斉藤や澤村などのドラフト組、メジャーからの復帰組、新外国人選手によるものは含まれていない。
これを元に最終的な予想をしてみたいと思う。
まず基礎データの説明を若干すると、予想に使ったのは打者ではプロジェクションのPAランクC以上の選手、投手ではD以上の選手である。項目”基準OUT数”から右については注釈を見ていただくが、それにもう少し付け加えると、投打共に”基準との比較”の数値が高ければ高いほど実績のある選手が多いということになる。その比率が1以上となったチームと項目は投手では中日と阪神、打者では福岡で、この3チームのこの成績に関しては安定していると考えてよいだろう。ある程度けが人が出てもカバーできる戦力があるということが言える。また、比率の平均値は投打ともに0.9程度なのでそれを超えるか否かも目安となるであろう。以上を踏まえた上で、各チームがこのオフ、自分たちの弱点、つまり”基準との比較”の数値が低い部分に戦力補強を行っているかどうかというエッセンスを加え、最終的な予想を組み立てたいと思う。Key Playerについては、私自身が見たい選手として名前を挙げた。
阪神はベテランの衰えなどの不安要素はあるが、それをある程度埋めることができる戦力はある。また、投手力の質は中日・巨人に劣るが、量的には勝っていて、ここもアクシデントによる影響が少ない。したがってAクラス入りの確率が最も高いチームとなると阪神であろう。巨人の場合、小笠原、坂本、ラミレス、阿部など一流どころが目白押しだが、彼らと控えクラスとの力の差が大きすぎる感じ。彼らの内誰かを欠いた場合に、その穴を埋めるのは打線ではなく投手力で、澤村などの新戦力がどの程度力を発揮できるか?中日は巨人よりもさらに層が薄く、森野或いは和田のどちらかを失った場合のオフェンスへの影響力はかなり大きい。しかし、投手力のデプスがかなり深いので、トータルとしては、大きく崩れないかもしれない。ヤクルトに関してはブルペンがどうなるかに懸かっている。先発、打線共にそこそこのレベル。上位3チームが強力なのでよくて3位というイメージでしょうか。特に広島は若い野手に楽しみな選手が多く、基礎データよりも得点は稼ぎそうである。横浜はこのオフかなり動きはあったが大きな戦力上昇には繋がっておらず、苦しい戦いを強いられそうだ。
◎鳥越の順位予測

今年も優勝争いは上位3球団になると思われる。巨人は、松本の復活がカギとなりそうである。松本が1番に定着すれば2番に坂本が入りそこから強力なクリーンアップに繋がるので恐ろしい打線となる。阪神は、打線が去年のチーム打率.290にどれだけ近づけるか。投手陣は後ろも含め充実しているため打線がポイントとなるだろう。中日は、先発の柱であるチェンと昨年勝利の方程式の一角であった高橋がケガで出遅れているのが痛い。上位3球団に対抗できるのは東京ヤクルト。投手陣は安定しているので、打線の奮起が上位進出へのカギとなりそう。横浜は新加入した山本、森本、渡辺直が活躍すれば面白い存在に。広島は前田健太に続く投手が出てくることとリリーフ陣の安定が上位進出へのポイントになるであろう。
今回の順位予想はセイバーメトリクスで用いられる指標を参考に行った。
投手:WHIP・被打率・被出塁率・K /BB・LOB%
野手:OPS・NOI・GPA・SecA・TA
投手はいかに得点をとられないかという指標用い、野手は出塁率と長打率を使用している指標を中心に用いた。
◎森嶋の順位予想

まずは巨人。長打に競争優位を持つチームは、セイバー系予測が安定的に高くなる傾向にあると思う。ヤクルトは昨シーズン後半の投打のかみ合いを年間通じて再現できれば普通にAクラス。阪神は数々のレポートにあるように過大な野手BABIPぶれの戻しが心配。中日はセリーグ一のロースコアゲーム球団なので、やや成績のぶれが大きく出るかも。広島は、外国人が投打ともかなりの割合を占めると思われるので、底上げがあるとすれば外国人の活躍か。横浜は投手不足は変わらずも、センターラインは前年と比べれば戦える体制になったと思われる。
◎岡田の順位予想

巨人の攻撃力はおそらくリーグトップ。捕手(阿部)・一塁手(小笠原)・遊撃手(坂本)で稼げる利得はかなり大きい。投手でもやや不運だった内海投手の復調を加味すると、昨年ほど先発陣は崩れないと思われる。ヤクルトは昨季大型連敗で霞んでいるが、ポジション毎の内容をみると勝ってもおかしくない成績。三遊間どちらかに目途がつけばAクラスは十分狙える。投手陣はリーグNo.1の陣容と言っても過言ではなく、リーグで最もバランスが取れたチーム。阪神は昨年に比べ得点力は落ちそう。投手陣は能見・岩田両投手がローテーションを守れれば攻撃面のマイナスを少なくできる可能性も。小林宏加入もブルペンにとっては大きな戦力になりそう。中日の打撃陣は3B森野、LF和田が大きく得失点を稼ぐが、そのほかのポジションでの貢献がほしい。新加入のグスマンが有力候補か。統一球の影響で投手陣はこれまでの様に利得を積み上げにくくなり試練のシーズンとなりそう。広島は前田健太に続く先発投手が何枚出てくるかが上位を目指すポイント。ジオ・大竹など実績がある投手に加え若手が何枚か入ってくることを期待したい。攻撃は栗原に加え岩本とトレーシーで長打力不足を打破したい。横浜は投手・捕手・遊撃・中堅選手の活躍が上位チームとの差を縮めるポイント。昨季経験を積んだ武山捕手が攻守で貢献すれば得失点はそのまま改善するはず。投手は加賀をはじめ若手の活躍はもちろんだが、上位を狙うには三浦投手の復活は必須。
※順位予想の方法
・過去3年のデータから主要な選手の2011年の成績を予測
・成績予測から総得点及び総失点を予測。
・総得点と総失点からチーム勝率を算出
・Key Playerはチームのポジション別の状況を鑑み得失点への影響が大きいであろう選手を選出
Baseball Lab「Archives」とは?
Baseball Lab「Archives」では2010~2011年にかけてラボ内で行われた「セイバーメトリクス」のコンテンツを公開しております。
野球を客観視した独自の論評、分析、および研究を特徴として、野球に関するさまざまな考察をしています。
野球を客観視した独自の論評、分析、および研究を特徴として、野球に関するさまざまな考察をしています。
月別著者コラム
最新コラムコメント
|
|
|
|
|
コメント