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続・打球の行方(ゴロ・フライ・ライナー別)~Part.2

Student [ 著者コラム一覧 ]

投稿日時:2011/07/19(火) 10:00rss

1.はじめに
 
 ここのところ,Ultimate Zone Rating(UZR)のデータを用いて打球の行方を分析しています。前回は打球別(ゴロ・フライ・ライナー)に分析しました。
 
 今回の分類したのは,ゴロ・フライ・ライナーの打球ごとに、ヒットになった打球を単打と長打に分けて分析しました。
 
※二塁打・三塁打・ランニングホームランを合計したものを長打として扱っています。
  
 
2.分析データ
 
 2009年から2010年までのUZRデータ,計93571打席の結果を分析対象としています。内訳は,2009年が46582打席,2010年が46989打席です。
 
※記録に不備があったデータは除いていますので,全ての打席のデータではありません。
 
 これらのデータを,22(C~X)×8(1~8 1が最もホームベースに近く,8はフェンス際)の176ゾーンに分類しました。
 
 
3.分析結果
 
 それでは,データを見ていきたいと思います。まずは,単打になったゴロから分析していきます。表1に各ゾーンで単打になったゴロの数を示します。
 

 
 このデータの中で,単打の数が多いゾーンに色をつけてみたものを図1に示します。
 
※図につけた色はあくまで目安として見てください。統計的な裏づけはありませんのでご注意ください。
 

 
単打の数が多いゾーンほど濃い色をつけています。距離4以上の打球,つまり外野へのゴロの打球がないのは,アウトならば野手がボールを取った位置,安打(野手の間を抜けたなど)は処理すべき位置を入力しているためです。
 
 次はフライです。表2に各ゾーンで単打になったフライの数を示します。
 

 
 単打の数が多いゾーンに色をつけてみたものを図2に示します。
 

 
 フライの数自体は、距離6や距離7のゾーンが多いのですが、単打になりやすいのはそれよりも手前のゾーンであることがわかります。
 
 続いてライナーです。表3に各ゾーンで単打になったライナーの数を示します。
 

 
 単打の数が多いゾーンに色をつけてみたものを図3に示します。
 

 
 ライナーの数自体は少ないですが,フライよりも少し手前のゾーンで単打になる数が多くなっています。
 
次は、長打(二塁打・三塁打・ランニングホームラン)を分析していきます。
 
 まずはゴロから分析していきます。表4に各ゾーンで長打になったゴロの数を示します。
 

 
 長打になった打球が多いゾーンに色をつけてみたものを図4に示します。
 

 
 長打になった打球が多いゾーンほど濃い色をつけています。ゴロで長打になりやすいのは、1塁と3塁の線上の限られたゾーンであることがわかります。
 
 次はフライです。表5に各ゾーンで長打になったフライの数を示します。
 

 
 長打になった打球が多いゾーンに色をつけてみたものを図5に示します。
 

 
 フライの場合は、距離8まで目一杯飛ばすか、外野手の間を抜くような当たりが長打になりやすいことがわかります。
 
 最後にライナーです。表6に各ゾーンで長打になったライナーの数を示します。
 

 
長打になった打球が多いゾーンに色をつけてみたものを図6に示します。
 

 
 ライナーで長打になりやすいのは、ゴロと大体同じような傾向であることがわかります。
 
 
4.まとめ
 
 以上,打球別の分析でした。ちょっと分析が単調になってきたので次回は、内野ゴロにしぼってもう少し詳しく分析をして見たいと思います。

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