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投手の球種価値(Pitch Type Value)~Part3 救援投手

岡田友輔 [ 著者コラム一覧 ]

投稿日時:2011/01/12(水) 10:00rss

 先日はダルビッシュ投手を例にして先発投手の球種の価値について検討してきました。今日もリーグの平均的な選手を基準に各投手の球種について考えていきましょう。基本的な考え方については先日の投手の球種価値(Pitch Type Value)~Part1,Part2を参考にしてください。本日は救援投手のボールの価値についてです。





 改めて先発投手と救援投手の球種別の結果です。先発と救援を比べると救援投手は三振(バットにボールを当てさせずにアウトを取る)の割合がやや増加します。短いイニングを担当する救援投手は、当面のイニングを抑えるのが基本的な仕事であり、加えてピンチの場面での火消しなど、アウトを安全にとることを求められる面は強いとおもわれます。打者への対処も最初の対戦を意識する場合がほとんどで、良い救援投手でも主要な球種は2~3種類になる場合がほとんどです。選択肢が少ない分、球種の力の差は大きな影響をもたらします。有力な救援投手の球種成績をみていきましょう。
 

Ⅰ.ソフトバンク・ファルケボーグ投手
 


 優秀なソフトバンクブルペンでも突出した成績を残したファルケンボーグ投手は、ストレートとフォークが投球の大部分を占めます。ストレート・フォークどちらも三振を多く奪い、四死球が少なくコントロールされているのが分かります。バットにボールを当てられてもリスクの大きい外野フライを抑えており、ほぼ完ぺきな内容です。

 

 球種別失点抑止を見るとどの球種も100球あたりで1点以上の失点を防いでいます。中でもストレートの貢献は大きく、救援投手の中でもっともすぐれた球種の一つと言えるでしょう。
 
 
Ⅱ.巨人・山口投手
 


 続いて先発からシーズン中にリリーフに回った山口投手をみていきましょう。主な球種はストレート・スライダー・チェンジアップになります。これら3つの球種でストレートとその他2つの球種の役割はしっかり分けられているようです。ストレートは平均的な救援投手に比べ三振を多くとっているわけではありません。しかし、四球を出す割合は非常に低く、バットにボールを当てられてもゴロをより多く打たせているのが分かります。空振りを奪うよりも制球で打者の打球管理をする球種と捉えられるかもしれません。スライダーとチェンジアップはストレートと正反対になります。三振を多く奪いますが、打球管理については平均的な内容です。特性の異なる球種をしっかり持っているのは大きな強みと言えるでしょう。


 
 山口投手は主だった3つの球種全てが、リーグの平均的な救援投手の投げるボールよりも失点抑止効果を持っています。どの球種でも満遍なく失点の抑止につなげていますが、その中身は2つの違ったアプローチをとっているのです。
 
 
Ⅲ.オリックス・平野投手
 


 ブルペンに転向した平野投手はどうでしょう。ストレートが投球の大部分を占め、さらにフォーク・スライダーといった球種を投げています。平野投手の強みは何と言っても奪三振能力です。ストレートとフォークで平均的な投手が投げる同じ球種に比べ、35以上の三振を奪っている計算です。バットにボールが当たった際は平均的な投手とそれ程差はなく、バットにボールが当たるかどうかの段階で大きな差を付けているのが分かります。
 


 球種別の失点抑止ではストレートとフォークが大きな値になっています。傑出した成績を残すには2つくらいの球種は必要になるのかもしれません。
 
 
 
Ⅳ.中日・浅尾投手
 


 昨年はシーズンのホールド記録を更新した中日のセットアップマン。ストレート・フォーク・スライダーが主な球種で僅かながらパームボールも投げるようです。浅尾投手は前述の山口投手と同じように球種の役割が明確です。ストレートはバットにボールを当てられる割合はやや高いようです。三振は平均的な救援投手に比べ10程度少なく、快速球を投げるイメージと異なるかもしれません。データからは四死球を減らし、コントロールでゴロを打たせるなど打球制御をする球種と見る方が良さそうです。次にスライダーですが、これはバットにボールを当てさせない面(三振±)で優れているのが分かります。最後にフォークボールですが、この球種が浅尾投手にとって最も頼りになるボールといえそうです。三振の増加と四死球の減少に加え、バットにボールが当たってもゴロを大幅に増やし、リスクのある外野フライが減っています。Part1でも述べましたが、フォークボールは他の球種に比べ、空振りを取るだけでなくゴロを打たせるにも有効な球種です。平均的な救援投手のフォークに比べゴロをさらに量産させる力は特筆すべきでしょう。
 


 主だった3つの球種は全て平均的な救援投手のボールを上回っています。スライダー・フォークの失点抑止力はリーグでも屈指のボールになります。打者にとっては付け入る隙がない持ち球の組み合わせといえそうです。
 
 
Ⅴ.阪神・藤川投手
 


 最後は「現在最高のストレートを持つ投手」と問われ、真っ先に名前が挙がるであろう藤川投手です。投球の75%近くがストレートで、フォークと合わせると9割以上をこの2つの球種が占めています。藤川投手の代名詞であるストレートは、前述した投手とはまた違った特徴があります。藤川投手のストレートはバットにボールを当てさせない事が最大の魅力です。平均的な救援投手に比べ29近く三振を積み上げています。バットに当たった場合も普通の投手とは違った結果が出ています。ゴロが少ない点は、大抵マイナスに働きますが、藤川投手はその分を内野フライの増加で補っています。内野フライは打球のほぼすべてでアウトを見込め、三振に次いでマージンの多い打球になります。しかし、内野フライを狙って打たせる能力というのは、本場MLBでも議論の対象で、ゴロやフライの割合に比べ他の要素が入りやすい打球とされています。ただ、藤川投手の数字だけ見ると何らかの能力があるのではないかと思ってしまうほどです。ストレートと対になるフォークボールですが、平均的な救援投手に比べ大きくマージンを稼いでいるわけではないようです。
 


 失点抑止ではやはりストレートがもっとも効果がある事を示しています。今季はイニングを跨いでの登板がしばしばあったのを考えると、藤川投手のストレートはやはり傑出したボールである事が分かります。
 
 
救援投手の球種まとめ

 先発投手と同じようにカウントを稼ぐ、空振りを奪う、ゴロを打たせるなど各投手の持ち球はそれぞれ役割が違うかもしれません。また、2つ以上の球種の相乗効果などを考慮することはできません。しかし、この球種測定方法は、安打や凡打といった運や味方守備に左右される部分を極力そぎ落としているので、より投手の球種を評価できる面もあります。さらに、一般的に、三振・四死球・打球割合などは翌年との関連もあり今シーズンを占う上でも参考になるでしょう。Run Valueが少ないのに防御率が良かった投手などは危険な兆候かもしれません。
 
 ここまでは主だった救援投手の全体像を見てきました。最後に救援投手として150球以上投げられた球種のRuns ValueとRuns Value per 100を掲載します(Runs Value per 100が異常に高く、Runs Valueの値がそれほど大きくない投手は球数自体が多くないと理解してください)。



■救援投手の球種別失点抑止      
球団 投手名 球種名 Runs Value Runs Value per 100
巨人 クルーン フォーク 6.2 2.29
中日 浅尾 拓也 スライダー 3.2 1.87
オリックス 香月 良太 チェンジアップ 3.0 1.83
ソフトバンク ファルケンボーグ ストレート 9.1 1.63
巨人 山口 鉄也 チェンジアップ 3.8 1.57
横浜 ブーチェック ストレート 2.8 1.53
楽天 片山 博視 スライダー 4.5 1.51
中日 浅尾 拓也 フォーク 5.1 1.47
中日 髙橋 聡文 フォーク 3.1 1.39
オリックス 平野 佳寿 フォーク 4.1 1.39
ソフトバンク 森福 允彦 シュート 2.7 1.37
日本ハム 宮西 尚生 ストレート 5.6 1.36
中日 岩瀬 仁紀 スライダー 3.7 1.33
阪神 久保田 智之 ストレート 9.5 1.32
巨人 久保 裕也 フォーク 5.2 1.28
ソフトバンク 攝津 正 ストレート 8.0 1.26
巨人 山口 鉄也 ストレート 6.1 1.23
ソフトバンク ファルケンボーグ フォーク 3.5 1.22
楽天 青山 浩二 スライダー 4.0 1.21
日本ハム 建山 義紀 スライダー 5.3 1.20
日本ハム ウルフ シュート 2.1 1.12
阪神 藤川 球児 ストレート 7.8 1.03
中日 鈴木 義広 スライダー 2.1 0.98
西武 長田 秀一郎 ストレート 4.9 0.91
オリックス 岸田 護 チェンジアップ 2.1 0.90
オリックス 鴨志田 貴司 スライダー 1.4 0.90
日本ハム 林 昌範 フォーク 1.3 0.86
ソフトバンク 馬原 孝浩 ストレート 3.5 0.85
ヤクルト 押本 健彦 ストレート 5.0 0.84
西武 小野寺 力 フォーク 2.1 0.83
ソフトバンク 攝津 正 シンカー 3.3 0.83
広島 岸本 秀樹 フォーク 1.6 0.81
ヤクルト 林 昌勇 ストレート 4.5 0.79
横浜 牛田 成樹 フォーク 2.5 0.78
横浜 山口 俊 スライダー 2.3 0.77
オリックス 岸田 護 ストレート 5.5 0.76
ソフトバンク 森福 允彦 ストレート 1.5 0.76
西武 岡本 篤志 ストレート 2.0 0.75
ソフトバンク 森福 允彦 スライダー 2.0 0.72
オリックス 平野 佳寿 ストレート 7.0 0.71
楽天 青山 浩二 ストレート 2.4 0.70
中日 岩瀬 仁紀 シュート 1.8 0.69
中日 平井 正史 ストレート 1.5 0.68
楽天 小山 伸一郎 シンカー 2.5 0.65
日本ハム 谷元 圭介 ストレート 1.0 0.62
ソフトバンク 甲藤 啓介 ストレート 2.9 0.62
ヤクルト 増渕 竜義 シンカー 1.6 0.61
ソフトバンク 金澤 健人 スライダー 1.7 0.61
巨人 豊田 清 ストレート 1.0 0.60
阪神 西村 憲 ストレート 3.5 0.55
ソフトバンク 馬原 孝浩 フォーク 1.5 0.54
ロッテ 小林宏 チェンジアップ 0.9 0.54
巨人 金刃 憲人 ストレート 1.1 0.53
ロッテ 伊藤 義弘 スライダー 2.7 0.52
オリックス 鴨志田 貴司 ストレート 0.9 0.47
西武 藤田 太陽 スライダー 0.8 0.47
阪神 藤川 球児 フォーク 0.9 0.46
広島 横山 竜士 スライダー 1.1 0.45
ロッテ 古谷 拓哉 ストレート 2.9 0.45
西武 岡本 篤志 シュート 0.7 0.44
中日 浅尾 拓也 ストレート 2.6 0.44
ソフトバンク 馬原 孝浩 カットボール 0.7 0.42
巨人 越智 大祐 ストレート 2.2 0.41
巨人 山口 鉄也 スライダー 1.5 0.41
ヤクルト 松岡 健一 フォーク 1.7 0.40
ロッテ 小林宏 フォーク 0.8 0.40
広島 大島 崇行 ストレート 1.8 0.39
楽天 片山 博視 ストレート 1.2 0.34
日本ハム 宮西 尚生 スライダー 1.0 0.32
楽天 山村 宏樹 シュート 0.5 0.31
オリックス 香月 良太 シュート 0.8 0.30
横浜 山口 俊 ストレート 2.2 0.30
オリックス 西 勇輝 ストレート 0.7 0.30
阪神 福原 忍 ストレート 0.6 0.29
西武 シコースキー フォーク 0.5 0.29
日本ハム 榊原 諒 スライダー 1.3 0.28
楽天 川岸 強 ストレート 1.2 0.27
ロッテ 伊藤 義弘 ストレート 1.4 0.27
阪神 西村 憲 スライダー 1.0 0.26
横浜 江尻 慎太郎 スライダー 0.6 0.26
楽天 山村 宏樹 ストレート 0.5 0.25
ソフトバンク 藤岡 好明 ストレート 0.8 0.24
オリックス レスター ストレート 1.0 0.20
ソフトバンク 金澤 健人 ストレート 0.4 0.20
西武 シコースキー ストレート 1.2 0.20
横浜 真田 裕貴 スライダー 0.6 0.20
ヤクルト 増渕 竜義 スライダー 0.4 0.18
ヤクルト 増渕 竜義 ストレート 1.0 0.18
阪神 渡辺 亮 ストレート 0.7 0.15
楽天 佐竹 健太 ストレート 0.3 0.14
中日 髙橋 聡文 ストレート 0.9 0.13
中日 岩瀬 仁紀 ストレート 0.3 0.11
オリックス 古川 秀一 スライダー 0.2 0.10
日本ハム ウルフ ストレート 0.2 0.10
日本ハム 金森 敬之 ストレート 0.1 0.09
中日 鈴木 義広 シュート 0.1 0.09
日本ハム 菊地 和正 ストレート 0.1 0.06
広島 大島 崇行 チェンジアップ 0.1 0.06
広島 ベイル ストレート 0.1 0.05
横浜 真田 裕貴 ストレート 0.1 0.04
広島 岸本 秀樹 スライダー 0.1 0.03
中日 清水 昭信 スライダー 0.1 0.03
西武 小野寺 力 ストレート 0.1 0.03
巨人 MICHEAL カットボール 0.1 0.02
ロッテ 薮田 安彦 ストレート -0.1 -0.01
ソフトバンク 神内 靖 ストレート 0.0 -0.02
広島 横山 竜士 ストレート -0.1 -0.02
ソフトバンク 甲藤 啓介 シュート -0.1 -0.02
広島 上野 弘文 ストレート -0.1 -0.04
日本ハム 榊原 諒 ストレート -0.3 -0.08
ヤクルト 松岡 健一 ストレート -0.4 -0.08
ヤクルト 林 昌勇 スライダー -0.1 -0.09
横浜 江尻 慎太郎 ストレート -0.4 -0.11
阪神 渡辺 亮 スライダー -0.6 -0.11
楽天 川岸 強 スライダー -0.3 -0.15
日本ハム 建山 義紀 ストレート -0.6 -0.15
西武 長田 秀一郎 スライダー -0.5 -0.16
オリックス 香月 良太 ストレート -0.3 -0.16
中日 平井 正史 カットボール -0.4 -0.19
ヤクルト 松岡 健一 スライダー -0.3 -0.19
横浜 真田 裕貴 シュート -0.5 -0.19
西武 野上 亮磨 ストレート -0.5 -0.20
広島 篠田 純平 ストレート -0.6 -0.20
阪神 渡辺 亮 チェンジアップ -0.4 -0.20
巨人 越智 大祐 フォーク -0.6 -0.21
巨人 久保 裕也 カーブ -0.4 -0.22
阪神 江草 仁貴 ストレート -0.5 -0.29
阪神 上園 啓史 ストレート -0.7 -0.29
横浜 福田 岳洋 ストレート -0.6 -0.30
日本ハム 武田 久 ストレート -1.2 -0.34
ロッテ 小林宏 ストレート -1.5 -0.35
ロッテ 薮田 安彦 チェンジアップ -0.6 -0.35
西武 藤田 太陽 ストレート -1.4 -0.36
横浜 弥太郎 ストレート -0.7 -0.37
広島 高橋 建 シンカー -0.6 -0.38
ロッテ 内 竜也 ストレート -0.8 -0.39
楽天 山村 宏樹 スライダー -0.9 -0.44
ロッテ 薮田 安彦 フォーク -1.1 -0.47
広島 梅津 智弘 スライダー -1.4 -0.48
巨人 久保 裕也 ストレート -1.8 -0.48
ソフトバンク 甲藤 啓介 スライダー -2.1 -0.49
楽天 小山 伸一郎 ストレート -2.4 -0.49
オリックス 香月 良太 カットボール -1.0 -0.50
中日 鈴木 義広 ストレート -0.9 -0.50
巨人 クルーン ストレート -2.5 -0.52
ロッテ 古谷 拓哉 スライダー -2.0 -0.54
横浜 牛田 成樹 ストレート -3.0 -0.57
中日 清水 昭信 フォーク -1.1 -0.58
日本ハム 武田 久 スライダー -1.5 -0.61
広島 林 昌樹 スライダー -1.2 -0.61
中日 平井 正史 シュート -1.1 -0.66
中日 清水 昭信 ストレート -3.9 -0.73
中日 長峰 昌司 ストレート -1.3 -0.74
楽天 片山 博視 シュート -1.2 -0.79
横浜 桑原 謙太朗 スライダー -1.4 -0.84
巨人 久保 裕也 スライダー -2.7 -0.86
広島 岸本 秀樹 ストレート -3.1 -0.88
横浜 加藤 康介 ストレート -2.7 -0.89
巨人 野間口 貴彦 ストレート -1.7 -0.96
オリックス 加藤 大輔 ストレート -2.4 -0.99
巨人 星野 真澄 ストレート -3.0 -0.99
西武 野上 亮磨 スライダー -1.6 -1.04
巨人 MICHEAL ストレート -1.7 -1.04
日本ハム 林 昌範 ストレート -2.6 -1.05
ロッテ 秋親 ストレート -2.8 -1.06
阪神 筒井 和也 ストレート -2.4 -1.07
ソフトバンク 金澤 健人 シュート -1.7 -1.11
日本ハム 木田 優夫 ストレート -2.0 -1.12
ヤクルト 押本 健彦 フォーク -2.7 -1.14
西武 土肥 義弘 スライダー -1.8 -1.16
広島 大島 崇行 スライダー -2.5 -1.16
中日 平井 正史 フォーク -1.9 -1.24
広島 岸本 秀樹 シュート -2.6 -1.30
広島 梅津 智弘 ストレート -3.8 -1.39
横浜 小林 太志 ストレート -3.7 -1.41
横浜 真田 裕貴 チェンジアップ -2.4 -1.41
日本ハム 榊原 諒 フォーク -2.5 -1.50
広島 高橋 建 ストレート -3.4 -1.54
広島 チューク ストレート -2.6 -1.55
楽天 松本 輝 ストレート -2.8 -1.60
阪神 久保田 智之 スライダー -4.6 -1.61
オリックス 古川 秀一 ストレート -3.7 -1.68
ロッテ 秋親 スライダー -4.6 -2.52

コメント

みんなの評価:4

 巨人・山口投手の球種特性は特徴的ですね。
 配球する側も面白そうです。対戦する側としては狙い通りに打ち取られたくないものですね^^;

「落ちる球がなければプロでは通用しない」などといった事ををヤクルトの古田選手が言っていたような気がしますが、その中ではいかにもな例外である中日・岩瀬投手のパフォーマンスも気になります。
 以前に比べると鉄投っぷりにも陰りが見えていますが、スライダー・シュートといった横への揺さぶりが主体にも関わらず、四球が少なく、三振の多い好投手であります。なかなか不気味ですね。

 シンカーを持ち球にする投手は希少だなぁ(大体が変則投法でしょう)と思って見ていると、比較的三振を奪える球種ではないですが、ゴロの発生率が高いですね。
 スライダー・シュート間もシュートの方がゴロ寄りの球種と言えそうです(シュート投手も近年は少なくなりがちですが)
 確かに、インサイドに食いこませるとか、低めのボールでは物理的にバットの上っ面に当てさせないとか、ゴロ量産してくれそうな雰囲気はあります。

 逆利き手打者との対戦だと球種の役割も変わってくるでしょうが、救援投手ならば、先発投手より順利き手対戦を意識した起用になるでしょうね。

評価: Posted by せるふぃむ at 2011/01/12 21:56:33 PASS:

>せるふぃむさま

山口投手や浅尾投手は特長が良く出ていますね。
ストレートのコントロールしやすい面の特性を生かすとでも言うのでしょうか。ストレート見ただけで良い投手なのが分かりますね。

全盛期の岩瀬投手の成績は気になるところです。
(打球の入力を今ほど厳密に行っていないため過去データを見ても難しそうですが・・・。)

ご指摘の通りシンカーは三振が取れない投手にとっては魅力的な選択肢ですね。
ボールも変わり日本でもハードシンカーで本格的なゴロピッチャーが誕生するかもしれませんね。
救援投手は役割的に効き腕・持ち球などで運用面で幅があるので上手く調整したいところです。普段は余り球種などの分析はしないのですが、今回はいろいろ勉強になりました。

Posted by 岡田友輔 at 2011/01/13 01:06:45 PASS:



評価: Posted by at 2011/02/17 14:49:25 PASS:
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