BATTING AVERAGE ON BALLS IN PLAY ~Part 1
蛭川皓平 [ 著者コラム一覧 ]
1.BABIP この扱いにくきもの
セイバーメトリクスにおけるキーワードのひとつに、BABIP(Batting Average on Balls In Play)というものがある。BABIPは「本塁打を除いてグラウンド上に飛んだ打球のうちヒットになった割合」を表す指標である。なぜこれがキーワードになるのだろうか。
それは、投手にとって本塁打以外のフェア打球がヒットになろうとなるまいと、それはただの運なのではないか、という驚くべき主張がなされたことによる。
この革命的な知見を発見したボロス・マクラッケンという人物(マイケル・ルイス著のマネーボールでも取り上げられている)は、自らの見解を発表した当初大きな批判にさらされた。投手は自らの力で打者を「打たせて取る」ことができると誰もが信じていたのである。しかしマクラッケンの考え方はいまやセイバーメトリクスの主要な投手評価法に取り入れられている。そしてまた彼はメジャーリーグの球団ボストン・レッドソックスの顧問として雇われた。
マクラッケンの発見は非常に重要であり、BABIP抜きに現在のセイバーメトリクスを語ることは事実上不可能である。しかしBABIPについての解釈は当初から現在まで非常に混乱が多く、人によっては強い拒否反応を示す場合もある。実際BABIPをどう解釈するかということについて定まった形があるわけではない。いまだに非常に扱いにくい概念なのである。
ここで本稿の目的は、そのように混乱の多いBABIPについて研究の歴史を概観して基本的な論点を整理すること、日本における具体的なデータの傾向を確認すること、解釈や評価への利用法を議論することである。それによってBABIPの扱い方がはっきりわかるわけではない。むしろ「はっきりわかるわけではない」のを確認しておくことに意味があると考えている。
2.MLBのBABIP研究史
BABIPについてそもそもどんなことが言われているのか、3つの著名な研究に的を絞り、概観してみたい。
『Pitching and Defense』
まずはなんといっても理論の発見者であるボロス・マクラッケンの研究である。これはもう10年ほど前のものであるが、Baseball Prospectusに投稿された有名な『Pitching and Defense』という論文は今でも読むことができる。
マクラッケンはまず、投手の成績から投手自身の能力と守備の影響を分けることはできないのかという問題に取り組み、投手の記録の中で守備に依存しないものと守備に依存するものを分けた。
マクラッケンの言うところによれば、守備に依存しないものは与四球や奪三振、被本塁打といったものだけであり、それ以外の勝敗、投球回、自責点、被安打などは全て守備に依存する。当然守備に依存する投球回と自責点から計算される防御率なども、守備に依存する。極めて単純で明快な分割である。稀に外野手がホームランをキャッチしてしまうということが起こるが、あくまでレアケースと言える。
この分割に基づいて分析を行った結果、守備に依存しない項目、すなわち与四球や奪三振や被本塁打については期間をまたいでも投手ごとに比較的一貫した傾向が見られた。ある年に奪三振率が高い投手は翌年も奪三振率が高い、という具合に。しかし、守備に依存する典型的な項目であるBABIPは、良い投手は一貫して良いという傾向がほとんどなくランダムだったのである。
仮にBABIPの高低について投手ごとに明確な違いがあり、投手の能力がBABIPの結果を決めているのであれば、こうなるはずはない。ある年BABIPが高かった投手は翌年も高いはずだし、通算成績にはその違いがはっきりと表れるべきである。しかし実際には、年ごとの相関は非常に低く、多くの対戦打席数を経た投手の通算BABIPは似通った水準(平均値周辺)に密集している。これは真の能力の水準では投手ごとにBABIPにあまり違いがなく、個別の変動は偶然によることを示唆している。
このことからマクラッケンは、BABIPは守備や偶然に依存するものであり投手の評価に適さないという結論を出し、守備に依存しない項目だけから評価を行うDIPS(Defense Independent Pitching Stats)を提唱した。DIPSの具体的な計算法はさまざまであるが、現在一般的なDIPSの計算式はFIP(Fielding Independent Pitching)と呼ばれる以下の守備から独立した防御率を表すものである。投手の優劣が被本塁打・与四球・奪三振だけによって決定されることがよくわかる式の組成となっている。
FIP=(13×被本塁打+3×与四球-2×奪三振)/投球回+定数
定数=リーグ全体の{防御率-(13×被本塁打+3×与四球-2×奪三振)/投球回}
従来の常識では優れた投手はその圧倒的な投球によって、被本塁打でないときでもヒット性の打球はあまり打たせないものと考えられてきた。それなのに実際にはBABIPが安定しないのはどうしてなのだろうか。マクラッケンは多くの可能性をあげてはいるものの、これといった特定の説明を導き出してはいない。しかし理由がどうあれ、BABIPのランダムな傾向は紛れもない事実だった。
『Can pitchers prevent hits on balls in play?』
冒頭に記したように、上記のマクラッケンの主張は感情的な言葉を含め相当な批判にさらされた。その中で、冷静に統計を使った反論も数多く出ている。特に知られているのがトム・ティペットによる論文『Can pitchers prevent hits on balls in play?』である。
ティペットはマクラッケンの問題提起に対して、大きなスケールで分析を行い具体的な事例を提示した。投手の通算成績などを注意深く検討した末にティペットが得た結論は、投手の能力はBABIPについてマクラッケンが主張したよりも大きな影響力を持っている、というものである。
つまり、マクラッケンの主張を額面通りに受け取れば「打たせて取ることができる投手(ここでは簡単に“一貫してBABIPが低い(良い)投手”と考えておく)」などは全く存在しないことになる。しかし、実際には低いBABIPが要因でMLBにおける成功をおさめている投手はいくらか存在する。たしかにBABIPにおいて投手の持つ影響力は与四球率や奪三振率のそれと比べるととても小さく偶然を多く含むが、偶然を含むということは必ずしも投手が結果にいかなる影響も持っていないということを意味するわけではない。その他、すべてをここに引き写すわけにはいかないがティペットは多くのことを述べている。
ただしティペットの研究は結局のところ、原則としてはマクラッケンの説を覆してはいない。彼自身、投手はインプレーにおいてその他の守備から独立した結果ほどの支配力を持たないということは明らかであり、かつその観点は非常に重要だとしてマクラッケンの研究の価値を認めている。極端すぎたマクラッケンの主張に「限定的ながら投手はBABIPに影響力を持っている」という補足を与えた形である。ティペット以外の研究も含め、投手はBABIPに強く影響できないというマクラッケンの説については「基本的にはそうだが例外もある」ということが確認されている(さすがにBABIPが投手にとって完全な偶然ではないことはマクラッケンも認めている)。
『Solving DIPS』
BABIPには多くの要素が関わっており、そのうち何が重要かということは程度の問題である。ティペットが示した通りBABIPを多少なり低くできる投手というのは存在するし、マクラッケンが指摘した通り守備の問題もある。観測されたデータである以上ランダムな誤差というのもいくらかはついてまわるし、あるいは打球がヒットになりにくい球場というのも存在するかもしれない。なにがどのくらい重要なのだろうか?
タンゴタイガー、エリック・アレン、アービン・シュウらは議論を通じてこの問題に取り組んだ。彼らの議論は『Solving DIPS』と題したPDFファイルにまとめられている。
この研究の本質は、観測される投手ごとのBABIPの分散の要因を投球(つまり投手自身の能力)・守備・球場・運の4つと考え、それぞれが持っている影響力の大きさを定量的に突き止めるというものである。具体的な数値を置くにあたってある程度割り切った仮定が必要になることは否めないが、シミュレーションや数学的な計算によって各要因が投手のBABIPにどの程度影響を与えるかについて一応の答えが以下のように示されている。
運 :44%
投球:28%
守備:17%
球場:11%
上記は700のBIP(ボールインプレー:本塁打以外の打球)を持つMLBの先発投手についてだけあてはまるものだということに注意してほしい。このパーセンテージにどれだけの意味があるかは若干疑問もあるが、おそらく日本においてもこの順番は同じではないかと思われる。この結果で興味深いのは、タンゴタイガーも示している通りだが、投球がBIPにおいて守備よりも大きな影響力を持っていることや700のBIPでは運が他の何よりも大きな影響力を持っていることである。結局、投手が影響できる程度を考えると、BABIPは投手の能力を表すのに優れた指標とは言い難い。
またタンゴタイガーは、BABIPの数値は投手個々の評価とするには信頼がおけず、投手の評価において与四球・奪三振・被本塁打とそれ以外を分けることは重要であるとしている。DIPSそれ自体が投手の評価として完全であるかどうかはともかく(おそらく完全ではない)、守備に依存しない項目と守備に依存する項目の間には大きな隔たりがあるためそれらを分けるのは評価を考える上で有用なのである(なお、タンゴタイガーは前述のFIPの式の考案者である)。
以上3つの著名な研究その他を総合すると、一般的なまとめとしては以下のようなことが言えるだろう。BABIPには運をはじめ投手以外の要素が大きな影響を与えており一貫した再現は期待できない。したがってBABIPとそれ以外を分けて考えることは有用である。ただし、投手はBABIPに限定的ながら影響力を持っているし優れたBABIPによって良い成績を残す投手も少数は存在する。
次回は日本におけるデータの傾向や評価への適用などについて議論する。
用語集に戻る
セイバーメトリクスにおけるキーワードのひとつに、BABIP(Batting Average on Balls In Play)というものがある。BABIPは「本塁打を除いてグラウンド上に飛んだ打球のうちヒットになった割合」を表す指標である。なぜこれがキーワードになるのだろうか。
それは、投手にとって本塁打以外のフェア打球がヒットになろうとなるまいと、それはただの運なのではないか、という驚くべき主張がなされたことによる。
この革命的な知見を発見したボロス・マクラッケンという人物(マイケル・ルイス著のマネーボールでも取り上げられている)は、自らの見解を発表した当初大きな批判にさらされた。投手は自らの力で打者を「打たせて取る」ことができると誰もが信じていたのである。しかしマクラッケンの考え方はいまやセイバーメトリクスの主要な投手評価法に取り入れられている。そしてまた彼はメジャーリーグの球団ボストン・レッドソックスの顧問として雇われた。
マクラッケンの発見は非常に重要であり、BABIP抜きに現在のセイバーメトリクスを語ることは事実上不可能である。しかしBABIPについての解釈は当初から現在まで非常に混乱が多く、人によっては強い拒否反応を示す場合もある。実際BABIPをどう解釈するかということについて定まった形があるわけではない。いまだに非常に扱いにくい概念なのである。
ここで本稿の目的は、そのように混乱の多いBABIPについて研究の歴史を概観して基本的な論点を整理すること、日本における具体的なデータの傾向を確認すること、解釈や評価への利用法を議論することである。それによってBABIPの扱い方がはっきりわかるわけではない。むしろ「はっきりわかるわけではない」のを確認しておくことに意味があると考えている。
2.MLBのBABIP研究史
BABIPについてそもそもどんなことが言われているのか、3つの著名な研究に的を絞り、概観してみたい。
『Pitching and Defense』
まずはなんといっても理論の発見者であるボロス・マクラッケンの研究である。これはもう10年ほど前のものであるが、Baseball Prospectusに投稿された有名な『Pitching and Defense』という論文は今でも読むことができる。
マクラッケンはまず、投手の成績から投手自身の能力と守備の影響を分けることはできないのかという問題に取り組み、投手の記録の中で守備に依存しないものと守備に依存するものを分けた。
マクラッケンの言うところによれば、守備に依存しないものは与四球や奪三振、被本塁打といったものだけであり、それ以外の勝敗、投球回、自責点、被安打などは全て守備に依存する。当然守備に依存する投球回と自責点から計算される防御率なども、守備に依存する。極めて単純で明快な分割である。稀に外野手がホームランをキャッチしてしまうということが起こるが、あくまでレアケースと言える。
この分割に基づいて分析を行った結果、守備に依存しない項目、すなわち与四球や奪三振や被本塁打については期間をまたいでも投手ごとに比較的一貫した傾向が見られた。ある年に奪三振率が高い投手は翌年も奪三振率が高い、という具合に。しかし、守備に依存する典型的な項目であるBABIPは、良い投手は一貫して良いという傾向がほとんどなくランダムだったのである。
仮にBABIPの高低について投手ごとに明確な違いがあり、投手の能力がBABIPの結果を決めているのであれば、こうなるはずはない。ある年BABIPが高かった投手は翌年も高いはずだし、通算成績にはその違いがはっきりと表れるべきである。しかし実際には、年ごとの相関は非常に低く、多くの対戦打席数を経た投手の通算BABIPは似通った水準(平均値周辺)に密集している。これは真の能力の水準では投手ごとにBABIPにあまり違いがなく、個別の変動は偶然によることを示唆している。
このことからマクラッケンは、BABIPは守備や偶然に依存するものであり投手の評価に適さないという結論を出し、守備に依存しない項目だけから評価を行うDIPS(Defense Independent Pitching Stats)を提唱した。DIPSの具体的な計算法はさまざまであるが、現在一般的なDIPSの計算式はFIP(Fielding Independent Pitching)と呼ばれる以下の守備から独立した防御率を表すものである。投手の優劣が被本塁打・与四球・奪三振だけによって決定されることがよくわかる式の組成となっている。
FIP=(13×被本塁打+3×与四球-2×奪三振)/投球回+定数
定数=リーグ全体の{防御率-(13×被本塁打+3×与四球-2×奪三振)/投球回}
従来の常識では優れた投手はその圧倒的な投球によって、被本塁打でないときでもヒット性の打球はあまり打たせないものと考えられてきた。それなのに実際にはBABIPが安定しないのはどうしてなのだろうか。マクラッケンは多くの可能性をあげてはいるものの、これといった特定の説明を導き出してはいない。しかし理由がどうあれ、BABIPのランダムな傾向は紛れもない事実だった。
『Can pitchers prevent hits on balls in play?』
冒頭に記したように、上記のマクラッケンの主張は感情的な言葉を含め相当な批判にさらされた。その中で、冷静に統計を使った反論も数多く出ている。特に知られているのがトム・ティペットによる論文『Can pitchers prevent hits on balls in play?』である。
ティペットはマクラッケンの問題提起に対して、大きなスケールで分析を行い具体的な事例を提示した。投手の通算成績などを注意深く検討した末にティペットが得た結論は、投手の能力はBABIPについてマクラッケンが主張したよりも大きな影響力を持っている、というものである。
つまり、マクラッケンの主張を額面通りに受け取れば「打たせて取ることができる投手(ここでは簡単に“一貫してBABIPが低い(良い)投手”と考えておく)」などは全く存在しないことになる。しかし、実際には低いBABIPが要因でMLBにおける成功をおさめている投手はいくらか存在する。たしかにBABIPにおいて投手の持つ影響力は与四球率や奪三振率のそれと比べるととても小さく偶然を多く含むが、偶然を含むということは必ずしも投手が結果にいかなる影響も持っていないということを意味するわけではない。その他、すべてをここに引き写すわけにはいかないがティペットは多くのことを述べている。
ただしティペットの研究は結局のところ、原則としてはマクラッケンの説を覆してはいない。彼自身、投手はインプレーにおいてその他の守備から独立した結果ほどの支配力を持たないということは明らかであり、かつその観点は非常に重要だとしてマクラッケンの研究の価値を認めている。極端すぎたマクラッケンの主張に「限定的ながら投手はBABIPに影響力を持っている」という補足を与えた形である。ティペット以外の研究も含め、投手はBABIPに強く影響できないというマクラッケンの説については「基本的にはそうだが例外もある」ということが確認されている(さすがにBABIPが投手にとって完全な偶然ではないことはマクラッケンも認めている)。
『Solving DIPS』
BABIPには多くの要素が関わっており、そのうち何が重要かということは程度の問題である。ティペットが示した通りBABIPを多少なり低くできる投手というのは存在するし、マクラッケンが指摘した通り守備の問題もある。観測されたデータである以上ランダムな誤差というのもいくらかはついてまわるし、あるいは打球がヒットになりにくい球場というのも存在するかもしれない。なにがどのくらい重要なのだろうか?
タンゴタイガー、エリック・アレン、アービン・シュウらは議論を通じてこの問題に取り組んだ。彼らの議論は『Solving DIPS』と題したPDFファイルにまとめられている。
この研究の本質は、観測される投手ごとのBABIPの分散の要因を投球(つまり投手自身の能力)・守備・球場・運の4つと考え、それぞれが持っている影響力の大きさを定量的に突き止めるというものである。具体的な数値を置くにあたってある程度割り切った仮定が必要になることは否めないが、シミュレーションや数学的な計算によって各要因が投手のBABIPにどの程度影響を与えるかについて一応の答えが以下のように示されている。
運 :44%
投球:28%
守備:17%
球場:11%
上記は700のBIP(ボールインプレー:本塁打以外の打球)を持つMLBの先発投手についてだけあてはまるものだということに注意してほしい。このパーセンテージにどれだけの意味があるかは若干疑問もあるが、おそらく日本においてもこの順番は同じではないかと思われる。この結果で興味深いのは、タンゴタイガーも示している通りだが、投球がBIPにおいて守備よりも大きな影響力を持っていることや700のBIPでは運が他の何よりも大きな影響力を持っていることである。結局、投手が影響できる程度を考えると、BABIPは投手の能力を表すのに優れた指標とは言い難い。
またタンゴタイガーは、BABIPの数値は投手個々の評価とするには信頼がおけず、投手の評価において与四球・奪三振・被本塁打とそれ以外を分けることは重要であるとしている。DIPSそれ自体が投手の評価として完全であるかどうかはともかく(おそらく完全ではない)、守備に依存しない項目と守備に依存する項目の間には大きな隔たりがあるためそれらを分けるのは評価を考える上で有用なのである(なお、タンゴタイガーは前述のFIPの式の考案者である)。
以上3つの著名な研究その他を総合すると、一般的なまとめとしては以下のようなことが言えるだろう。BABIPには運をはじめ投手以外の要素が大きな影響を与えており一貫した再現は期待できない。したがってBABIPとそれ以外を分けて考えることは有用である。ただし、投手はBABIPに限定的ながら影響力を持っているし優れたBABIPによって良い成績を残す投手も少数は存在する。
次回は日本におけるデータの傾向や評価への適用などについて議論する。
用語集に戻る
Baseball Lab「Archives」とは?
Baseball Lab「Archives」では2010~2011年にかけてラボ内で行われた「セイバーメトリクス」のコンテンツを公開しております。
野球を客観視した独自の論評、分析、および研究を特徴として、野球に関するさまざまな考察をしています。
野球を客観視した独自の論評、分析、および研究を特徴として、野球に関するさまざまな考察をしています。
月別著者コラム
最新コラムコメント
|
|
|
|
|
コメント